小学6年からの中学受験。小学6年生から始める中学受験って可能?

中学受験は一般的に小学3年生の2月から入塾し、約3年かけて本番に挑む試験です。
しかし、様々な理由で、小学6年生になってから中学受験を目指すご家庭もいます。
私の知人に2名、小学6年生から中学受験を始めて、合格した方がいるので、ご紹介したいと思います。

ケース1:ピアニストの夢を諦めて小学6年生から中学受験を始めた子の例

1人目のお子様は、元々ピアニストを目指していました。
しかし、小学5年生の頃に、自分よりはるかに上手な子供達を見て、ピアニストになるのは難しいと思ってしまったらしいです。
そして、それからあまりピアノに力が入らなくなってしまい、それを見ていたお母様が少し、ピアノから離れてみたらと提案したそうです。
私立中には管弦楽部が強い学校も多かったため、そういった学校に進んで、ピアノ以外の楽器をしてみてもいいんじゃないとお母様は考えたようです。
しかし、スタートが小学6年生ということもあり、受け付けてくれる塾がそもそも見つからず困ったそうなのですが、自宅近くの市進学院に行ったところ、受け付けてくれたそうです。過去分のテキストや動画も見れるようにしてくれて、ありがたかったと言っていました。
最初は偏差値45くらいのところで考えていたそうですが、結果、後期試験まで粘って偏差値65くらいの学校に合格するという快挙を成し遂げていました。
その話を聞いて、私が思ったのは、もともとピアノが上手な子というのは地頭の良い子が多いこと、そしてピアノを夜11時まで練習していたことを勉強に切り替えただけだったので、日々努力することがちゃんとできるお子様だったというのも、今回の合格の秘訣だったのではないかなと思いました。

ケース2:学級崩壊が原因で6年生から中学受験を目指した子の例

2人目のお子様は、小学5年生あたりから、小学校で生徒の数名がグループになって、担任の先生をいじめて学級崩壊になり、中学受験を考えだしたという子です。
そのお子様は中学受験こそ考えていなかったけれども、勉強が得意でした。
しかし、小学校では、一部の荒れた子供達によって、授業が進まない。
もっとちゃんと勉強できる学校に行きたいという本人の希望があり、小学6年生から中学受験をすることに決めたそうです。
このお子様はご家庭の経済的な理由もあり、公立の中高一貫校に進みました。
公立の中高一貫校は倍率は高いですが、学校の勉強が中心となっていたため小学6年生からでも間に合ったようです。
もともと、読解力や計算力に問題のないお子様だったというのも大きな合格の要因かなと思いました。

小学6年生からの中学受験で注意すること

1.模試やテストの結果に一喜一憂しない

模試やテストを受けて、低学年から準備していた子と比べて、一喜一憂する必要はありません。
なぜなら、低学年から準備していた子達だって、ここで低迷したり、やる気が無くなっていったりすることもあるからです。
ここで、これからは上に行くだけだと踏ん張れれば、どんどん追い抜いていける可能性が出てきます。
最後まで諦めず、お子様の出来ているところと、出来ていないところの分析として、模試やテストを活用しましょう。

2.基礎を固めるための勉強をする

小学6年生から中学受験を始めた場合、塾では実際の受験問題を中心とした演習問題を解くことになります。
しかし、実はその応用問題も基礎を固めることによって解ける問題です。
小学6年生から中学受験を始めたということは、この基礎学習を抜かしているわけですから、とにかくこの基礎固めに力を入れていきましょう。

3.偏差値は広範囲で考える

まず、小学6年生から始めたのだからという理由で、偏差値のあまり高くないところを希望する場合。
その考えは厳しい中学受験というレベルの高い集団での戦いにおいて、賢明な判断ではあります。
しかし、子供というのは、成長が著しいです。
試験日の前日、いや当日まで学力は伸び続けます。
その偏差値があまり高くない学校とは別に、高い偏差値の学校も一緒に検討し、行きたい学校を5つくらいは探しておきましょう。
次に、偏差値が高い学校を希望している場合。
この場合は、中堅校、安全校の受験もきちんと準備しておくこと。
中学受験とは、医者の家庭、弁護士の家庭、一度聞いたら忘れない頭脳を持ったバケモノのようなお子さんも一定数います。
そういったお子様と戦うのです。
厳しい戦いになることを念頭に、お子様の努力が報われるように志望校にはレベルの幅を持たせて用意しておきましょう。

4.何事もポジティブに考える(親側)

ただでさえ不安の多い子供の受験。
小学6年生という、遅い参入では親も悩みが絶えません。
しかし、不安に思っている時間があったら、一問でも多く問題を解いて下さい。
覚悟を決めて、一日一日を無駄にしないことが大切です。
早くに準備を始めて子は、余裕で合格できると油断しているかもしれません。
今までの勉強のし過ぎで、やる気をなくしている子もいるかもしれません。
そんな早くから準備をしていた子を追い抜いていきましょう。
何事もポジティブに考え、迷わず突き進んでいくことが、小学6年生からのスタートでも間に合わせる秘訣です。

5.後期まで粘る

中学受験のお話をご近所のお母様としていると、後期で受かったのよという話をよく聞きます。
前期と後期では、後期の方が倍率が高い傾向にあります。
しかし、ここにはトリックがあります。
確かに倍率は高いのですが、集まってくる子供のレベルはそんなに高くありません。
なぜなら、前期で第一希望に受かった子は後期に受験しないからです。
遅いスタートなら、受験の終わりが少し長引いてもよいではありませんか。
前期で行きたい学校に合格を頂けなかったのであれば、最後まで粘りましょう。

小学6年生からの中学受験を成功させる母親の特徴

1.とにかく前向き

そもそも、小学6年生から中学受験を始めるなんて、普通の母親なら反対します。
しかし、上記にご紹介したお母様2人は、とにかくポジティブ。
やれるだけやってみよう!
大丈夫大丈夫。
全力でやるのみだよ!
と、お子様を不可能ではなく、可能な道へと導いてあげているように感じました。

2.決断力がある

日々の勉強の仕方から、志望校の決定、中学受験では親の決断力が問われます。
特に小学6年生から中学受験を始めるというのであれば、皆さんが小4、小5までに決めておいた事柄も一気に決めていかなければいけません。
親がどうしようどうしようと迷っている間に、時はどんどん進んでしまいます。
小学6年生から始めるのであれば、決断に時間を取られている場合ではありません。

3.勉強の仕方を知っている

母親が中学受験経験者である必要はありません。
しかし、受験勉強ということをきちんと経験していて、本気で取り組んだことのある方だと有利です。
勉強の仕方自体が分かっているので、無駄な勉強と効果的な勉強法が分かっています。

小学6年生からの中学受験で合格するための勉強方法

下記に小学6年生から中学受験を始めて、小4、5年生の塾の勉強が出来なかった方向けの問題集を紹介していきます。
各教科のこの問題集をこなして、志望校の過去問演習をしっかりやってみて下さい。
また、過去問は志望校にプラスして、志望校と同じレベルの過去問にもトライすると、合格率が上がります。
なぜかというと、試験問題を作っている先生たちというのは、別の学校の試験問題にも目を通して問題を作成しているからです。
下記の問題集で基礎を固めてから、過去問演習をしっかりやってみて下さい。

国語

語彙力や漢字の学習を家庭で行いましょう。
語彙力を高めてくれる本です。
文章読解では、語彙力がないと理解が難しくなってしまいますので、語彙力はある程度つけておきましょう。
【中学入試】言葉力1200―文章が読める!わかる!書ける!

この本は受験が終わるまで使います。
中学受験によく出る漢字が良くまとめられています。
サピックスメソッド漢字の要ステップ1マスターブック

基本的な文章読解問題を固めましょう。
塾の4.5年生で習うような、文章読解の基本がよくまとめられている問題集です。
以下の2冊は、我が家も塾の先生にすすめられて購入し、自宅学習に使いました。
中学入試国語のつまずきを基礎からしっかり「文章読解」

中学入試 国語文章題のまちがえるところがすっきりわかる

算数

基礎的な問題を固めましょう。

塾や通信講座で既に5年生で終わってしまっているカリキュラムは下記のような問題集で対応すると良いと思います。
動画が用意されているものもあります。会話文形式で説明している問題集なので、塾で習うような感覚で学べるのでおすすめです。

中学入試 三つ星の授業あります。 算数【計算・文章題】

中学入試 三つ星の授業あります。 算数【図形】

過去に出題された入試レベルの問題を分野別にまとめた問題集。
仕上げの演習用の問題集にもってこいの1冊。
中学入試 算数 塾技100 新装版 (中学入試 塾技)

理科

5年生で終わってしまっている範囲のところを、自宅で学習しておきましょう。
この本は塾に通っていても、中学受験が終わるまでずっと使うことになるので、買っておきたい1冊です。
理科の辞書のような役割を果たしてくれます。
小学総合的研究 わかる理科 改訂版

上記の本に対応した問題演習の本になっています。
上のわかる理科を読んでから、問題に取り組むと良いです。
小学総合的研究わかる理科問題集

入試レベルの問題演習に使える1冊です。
解説のページには入試によく出るところがまとめられていて良いです。
中学入試 理科 塾技100 (中学入試 塾技)

社会

塾では4、5年生の時に地理を勉強するので、地理を中心に下記の本を読んで学んでおきましょう。
歴史も小学5年生の後半に始まって進んでしまっている部分を中心に学習していきましょう。
小学総合的研究 わかる社会 改訂版

上記のわかる社会で学習したのち、下記の問題演習を行いましょう。
小学総合的研究わかる社会問題集

地理は、白地図問題がよく出題されるので、白地図は何回も繰り返して覚えておくと良いです。
白地図トレーニング帳―中学入試小4~6年生対象 (サピックスメソッド)

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